『水からの伝言』

本勝は1980年代後半に「波動水を用いた波動カウンセリング」という手法を開発しました。この手法においては、MRA(Magnetic Resonance Analyzer: 日本語に直訳すれば「共鳴磁場分析器」)と呼ばれる装置(図1)を用いて、クライアントの身体のエネルギー的な状態を測定して、エネルギー的な不具合を一つずつ解消していきます(図2)。実際にこの方法を用いて、江本代表は数多くのクライアントの病気(癌や白血病などの重病も含めて)を癒すことに成功しました。その後、2万人近いクライアントに対する波動カウンセリングの経験に基づいて、1990年代に江本代表は10冊以上の本を書き、日本に波動ブームが訪れることになりました。

しかしながら、この「波動水」は、ごく普通の水と何の違いもないように見えます。すなわち、情報を入れる前と入れた後で、肉眼では変化がまったく見られません。そのため、クライアントにとって必要な情報が、実際に「波動水」に本当に含まれているのかどうかということについて、さらには「波動水を用いた波動カウンセリング」自体の有効性に対しても、疑問を持つ人が出てきました。

そこで江本勝は、水に含まれているはずの目に見えない情報を何らかの形で「可視化」する方法はないか、と考え続けました。


図1 MRA(共鳴磁場分析器)

図2 波動カウンセリングのデモ風景

 見えない情報の可視化 

あるとき雪の結晶に関する本を読んでいて、「雪の結晶には二つとして同じものはない」という文章に行き当たった時に、ふとアイデアが閃きました。それは「透明な水であっても、凍らせた時の結晶の形を調べることができれば、その形には水に含まれている情報が反映されているのではないか?」ということでした。そこで江本勝は、当時のスタッフに、水を凍らせて結晶の形を調べるようにと指示しました。

最初はなかなかうまく行きませんでしたが、試行錯誤を続けて3ヶ月後に、初めて六角形の美しい結晶の写真を撮影することに成功しました(図3)。1994年のことでした。


図3 はじめて撮影に成功した結晶写真

 『水からの伝言』の出版 

1994年に初めての結晶写真を撮影することに成功した後、最初は、日本や世界の各地の水道水や自然水を水試料として用い、それらの結晶写真が撮影されました。ですが、そのうちに江本勝の指示の元に、さまざまな実験が行われることになりました。

およそ5年間の間に撮影されたさまざまな結晶写真データをまとめて、1999年に写真集として出版されたのが『水からの伝言』です。

 『水からの伝言』の内容 

水道水の水結晶

日本や世界の水道水を調べた結果、東京(図4)やロンドン(図5)などの大都会では、ほとんどの場合、水道水から綺麗な六角形の結晶構造を観察することはできませんでした。
しかしながら、自然環境が残っていると思われる地域の水道水からは、比較的綺麗な結晶構造が観察されました(図6)。


図4 日本東京の水道水

図5 イギリス・ロンドンの水道水

図6 カナダ・バンクーバーの水道水

自然水の水結晶

次に湧き水や池、川などから採取されるさまざまな自然水について、結晶写真を撮影しました。以下、自然水についての数例を示します。

日本百名水にも選ばれている、八ヶ岳山麓の三分一湧水の水は、そのまま宝石としても通用する美しさを備えた結晶を見せてくれました(図7)。今まで数多くの結晶写真を撮影してきていますが、自然水としてはこの三分一湧水の結晶写真が一番美しいと私たちは考えています。

スイスのマジョレー湖の水からは少し固い感じではあるものの、均整の取れた美しい六角形の結晶構造が観察されました(図8)。南極の氷を頂いて調べたこともあり、30万年前のものとのことでしたが、均整が取れて力強い結晶構造が観察されました(図9)。


図7 山梨県三分一湧水

図8 マジョレー湖(スイス)

図9 南極の氷を溶かした水

音楽の効果

次に少し変わった「実験」として、「音楽を水に聞かせたらどうなるか」について、調べました。水を入れたガラスの容器を2つのスピーカーの間に置いて、水に曲を聞かせます(図10)。その後、いつものように水を凍結させて、結晶写真を調べました。

これ以降の「実験」においては、水としてはいつも同じもの―実際には蒸留水―を使っています。音楽を聞かせる前の蒸留水からは、とてもシンプルな形の結晶が観察されました(図11)。

水に音楽を聞かせた実験の一例として、モーツァルトの「交響曲第40番ト短調」を聞かせた水の結晶を示します(図12)。とても力強い結晶が現れました。

その一方で、ヘヴィーメタルの曲を聞かせたところ、綺麗な結晶ができませんでした(図13)。


図10 水に音楽を聞かせる

図11 音楽を聞かせる前の蒸留水

図12 モーツァルト「交響曲第40番ト短調」

図13 あるヘヴィーメタルの曲
 

写真の効果

ここで江本勝は、さらに一歩進んで、「水に写真を見せる」という実験を行いました。

最初にイルカの群れの写真を使い、写真の上に容器に入れた蒸留水を載せました。この状態で1日置いた後、水を凍らせて結晶を観察しました(图14)。その結果、結晶の中心部分にイルカの群れのような形が現れました(図15)。


図14 イルカの群れの写真

図15 中心部にイルカの群れのような形

次にゾウの写真を水に見せてみました(図16)。その結果、大変興味深いことに、結晶構造の周辺部から中心のコアの部分に向かって、ゾウの鼻のような形が現れました(図17)。

次に出雲大社の写真を水に見せました(図18)。その結果、これまた大変興味深いことですが、神社の屋根と注連縄に似た形の結晶が現れました(図19)。

ハート・マークを水に見せてみました(图20)。その結果、なんとハート・マークの形をした結晶が現れました(図21)。


図16 ゾウの写真

図17 ゾウの写真を見せた水結晶

図18 出雲大社の写真

図19 出雲大社の写真を見せた水結晶

図20 ハート・マーク

図21 ハート・マークを見せた水結晶

これらの結果を見た江本代表は、「これらの写真がまさに水が情報を記憶するということを証明している」とまで言われていました。ですが、私自身の感想としては「これだけでは何とも言えない」というのが正直なところです。

「証明」というのはかなり強い言葉であり、「証明」するためには、繰り返し実験を行って再現性を確かめる必要があるでしょう。しかしながら同時に、私の感覚としては、まったくの偶然でこれらの結晶写真が撮影されたとするのも、少し考えにくいように思います。偶然以上の何かが働いているかも知れないとも思っています。

言葉の効果

江本勝はさらに一歩進んで、「水に文字を見せる」という実験を行いました。

具体的には、パソコンとプリンターを使って、「ありがとう」と「ばかやろう」というひらがな五文字を白い紙にそれぞれ印刷し、水を入れたガラス容器に貼り付けました。文字を印刷した紙は、容器の向こう側からガラス面に貼り付けて、印刷面が水に向くように、すなわち水が文字を読めるようにしました(图22、23、24)。


図22「ありがとう」と「ばかやろう」を見せる

図23「ありがとう」を見せた水結晶
 

図24「ばかやろう」を見せた水結晶
 

私たちはこれらの「文字見せ」の実験についても、数多く行ってきています。そして現在までに撮影されたあらゆる結晶写真の中で、江本代表や私たちが、もっとも美しいと考えているのが、「愛感謝」という文字を見せた水の結晶写真です(图25、26)。

中心のコアの部分では、鏡を磨いたように平らな面が作られていると同時にその回りには六角形の力強いフレームが形成され、さらにその回りを極めて繊細な、宝石の集合体のような構造が取り囲んでいます。六角形の全体的な形もとても美しくバランスが取れています。

「愛」だけでも、「感謝」だけでも、このような結晶構造は観察されず、「愛感謝」と二つの要素が同時に存在して初めて、この美しい構造が生まれています。このことから、江本代表は、「この宇宙は、愛と感謝という2つの波動の組み合わせによって創られた」とまで、言っています。


図25「愛感謝」を見せる

図26「愛感謝」を見せた水結晶

『水からの伝言』のまとめ 

『水からの伝言』が伝えている内容は、以下の3つの項目にまとめることができます:

1.良い水は美しい結晶を作り、悪い水はまったく結晶を作らないことが示唆された。
2.水は、音楽やイメージや言葉や、祈りなどによって、変化する可能性がある。
3.水は愛感謝の波動をもっとも好むようである。

1つ目の項目に出てくる「良い水」とは「自然本来の波動に調和した水」であり、同時に「健康に良い水」と置き換えることができます。「悪い水」とは「自然と調和していない水」、そして「健康に良くない水」と考えられます。殺菌作用を持つ塩素を含む水道水は「悪い水」の一つの例であると私たちは考えています。

いずれにしても、これら3つの項目をまとめて1行で要約するとすると、「『水からの伝言』によって、『水が情報を記憶する』可能性が示唆された」ということになります。

 

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